毛唐の書いた本は殆ど読んだことがないのだが、「シカゴ・トリビューン」コラムニストのボブ・グリーンは寝床でよく読む。 平明で淡々としていて、文章に余韻がある(とぼくは思う)。 昨晩読んだ「アメリカン・ドリーム」の項「東京発」は一ヶ月の日本滞在記だ。 「日本は全くアメリカナイズされている。世界中どこででも嫌われている我が国が、何故日本でだけもてはやされるのだろう」・・米軍の広島・長崎への原爆投下引き合いにしつつのこの言葉が奇妙に印象に残った。 聞いた話の寄せ集めでいうと、貴族制残すヨーロッパにとっての米は歴史浅い新興国として睥睨の対象で、アフリカの民にとっては先祖を奴隷として連れ去った国になり、ロ中言うに及ばず、アラブ世界では、石油資源を金でまきあげ、イスラエルを後押しする国ということになるんだろうか。テロ発生の底流は確かにあるのだ。 勿論あるからといって民間人標的にしたテロは人類への挑戦であるという意味において永久に決して許されない。
「自由と民主主義」を標榜するアメリカの国家理念に何の文句もないし、テロリストを逮捕することも国家としての当然の責務だろう。 その一点において多国籍が協働するのもわかる。 けれど、2年前の大旱魃で疲弊し、食料を国連からの補給に部分的に頼っているアフガニスタンのひとたちにとって国境封鎖は食料補給ルートの遮断を意味することになるそうだ。 隣国に脱出する余力ない多くのひとたちがいるという。 最大限に見積もって600万人が飢餓に襲われるのではないかという記事を読んでおぞましい気分になった。 米政府が要請した、オサマ・ビンラデイン有する350億円という巨額の資産凍結による手段で、彼を逮捕することはできないのだろうか。
|