硬派のわたしにとって、晩酌時にTVニュースを観るということは政治経済関係のニュースを観ることに他ならないのだが、ここ数日のニュースのメインは「ヨン様」「ヨン様」だ。
「冬のソナタ」とかいう連続TVドラマに出演した俳優なんだそうだ。
いい年した中年女が絶叫しながら大挙して追っかけているのはもはや滑稽的社会現象であるが、彼は何故そんなにもてるのか。
アップで映る彼の顔は確かに端麗だ。ウイスキーのCMに出てもいいと思う。端麗ということは、目口鼻眉毛などの配置バランスがいいということなのだろう。そのバランスを支えているのが、絶やさない笑顔だ。
しかしやね。
端麗であることは、即ち女性が顔でしか寄ってこないということであって、実は悲しいことなのではないだろうか。と体験的にわたしは思う。
当然つくり笑いなんだろうが、ああまでしていつでもどこでも笑っていると、「あんさんなんでそんなにいつも楽しいのかえ?」と嫌味のひとつも言いたくなる。
人間には喜怒哀楽という感情がある。同じ笑顔でも、悲しみやせつなさをこらえた笑顔であるならば味がある。表情に陰を与える。男としての魅力は、実のところそこにあり、例えばわたしがそうかもしれない。
俳優とは因果な商売だ。
仮面がいつのまにか実像となってしまうのだろう