昨日の昼 わたしは、耐震強度偽装問題に関する衆院国土交通委員会・参考人質疑をTVで途中まで観ていた。それなりに業界の実情を知っている建築設計屋30数年のわたしは、応答者の声音や表情から本音部分を把握できたと思うが、主役不在によるもどかしさも感じた。 軸足が責任の転化にあるそれぞれの出席者の答弁は被害者住民に諦念を印象づけたにとどまる。技術者の良心という言葉が質疑応答者双方に飛び交うのを聞くうちに30数年前を思い出した。
丸紅・ロッキード問題で国会召喚を受けた全日空代表・日本航空代表双方の答弁態度である。 質問者に答える若狭・全日空専務の態度はあたりを睥睨するものであり、平然としていた乃至は平然を装っていた。 大庭・日本航空社長の態度はとつ弁であり首を傾げ懸命に思い出そうとする姿勢が散見された。 若狭は事務屋あがりであって、いわばしゃべり攻防のプロである。 大庭は技術屋あがりであり、いわば手仕事のプロでしかない。
わたしもそうだけれど、技術屋は基本的に無口である。黙々と手を動かすのが日常だ。どちらかというと、大庭に好感を感じた。
しかし、個人的な気質と、会社を代表する立場では要請される姿勢が違う。 非を非として認めてしまうと、社員を路頭に迷わすリスクがあるのが現実だ。 国がCPUとなる官僚主義社会主義国家と、私企業がCPUとなる資本主義国家との違いは、良くも悪しくもここにある。 TV傍聴した国民の印象はともかくとして、全日空の社員は若狭の答弁態度に頼もしさを感じたのではないだろうか。
〇昨日の早朝、このHPを読まれた人から電話が入り、某福井市議を紹介された。 うーん、あわら市民以外に読んでくださる人がいるのだ。これまでと同様、これからも硬派でいこうと、わたしは思った。
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