分秒を争う忙しい時間帯が夕刻まで続き、午後5時にやっと落ち着いた。
新聞の死亡欄を読んだお袋が「福井市までお通夜に連れて行ってほしい」と言うので、6時前に車で家を出た。
この十日間くらいで4度目のお通夜だ。
車中でのお袋の話は「どこそこのじいさんはどこそこの病院に入っていてどこそこのばあさんはどこそこの施設に入っている」に終始した。
本年2005年に日本は人口減少国に転じたとの政府発表が先日あったことも含め、この国は既に少子高齢社会に入っている。お袋の話が、日常の挨拶枕言葉になる日も近いのではないだろうか。
昔、鳥浜貝塚発掘の指揮をしたひとと一緒に食事をしていた時、「縄文時代後期の日本列島の人口は約30万人。平均寿命は20代で、30前ともなれば長老と呼ばれていました」と言われ、うーん私が縄文にタイムスリップできたならばギネスブックものや、とびっくりしたことを思い出す。
その時代から2000年の間、時代の進展に応じて列島住人の寿命は少しずつ伸びてきた。近年の伸びはハイテク利用の医療技術に支えられている。
一回きりの生だから、プラスマイナスの思い出を沢山つくってつまり長生きして冥土へ旅たちたいとは思うが、その為には元気高齢社会になることが必要だ。
ということで、壮年の私は、神経をすり減らさないようにゆったりと生きていきたい、と思っている。
私はいつも午前4時半に寝る。起きるのではなくて寝るのである。
この時刻は夜明け前であり静寂の世界だ。灯を消し目を閉じると、闇のなかで聴覚が動く。
私の耳は、雨垂れの音を捕らえる。
雪解け水によるものだから果てしなく続く。その撥音の正確なリズムのなかで今年一年の間に経験したいろんなことが頭に浮かんでくる。
病気で苦しんでいるひと,議会での議論相手、無差別テロ、動機不明の殺人、強度偽装、加賀の海岸でみつけた桜貝、猪家族との山中遭遇、何人かのひととの死に別れ、自民公明両党の国会支配などなどが走馬灯の絵柄となる。そして、たゆたう時間のなかで眠りにつく。
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報告」に中学校財源比較表(含耐震補強)を入れました。