昨日の午前中は、事務所の大掃除に一生懸命だった。普段は無頓着なのだけれども、掃除をやり始めると潔癖症になる。床に塵ひとつ落ちていても気になって仕方がない。
途中来客一名。行政がらみのことで相談を受ける。
「翌日は日曜日だけれども構うことはない、担当課自宅へ行って思いを伝達してこよう」とココロに決めた。
掃除が終わった頃、パソコン修理専門店から「パソコンの入り切りスイッチの不具合が直りましたよ」という電話が入ったので、早速専門店へ行った。
「事務所の模様替えも終わったし、パソコンも直ったし、俺の生活はバージョンアップや」と思った。
夕刻、友人に誘われて「金津創作の森」へ。そこでは朗読会が開かれていた。たまにこういう文化的営みを観るのも悪くはない。もっとも文化って何なのかがよくわからないのだけれども。
昨夜は6時半に就寝。今朝は3時40分に目が覚めた。珈琲を飲んだあと、いただいたチョコレートを口にした。すごく美味しい。何故なら中に焼酎が入っているからだ。食べながら窓外の大きい満月を見ているうちに沖永良部島を思い出してしまった。
僕が沖永良部島の北端・国頭の地の牛小屋2階に住んでいた時、隣接する珊瑚礁の海岸に映画俳優・映画女優たちが来た。山岡久乃や田村高廣もいた。
一色次郎が亡き母を偲び沖永良部島の風景を回想して書いた小説・「青幻記」の映画化・ロケのために来たのだ。この小説は、太宰治賞をもらっている。
主人公・田村は母の墓のなかから頭蓋骨を取り出し浜に押し寄せる波で洗骨する。生前の母を偲び号泣しながら洗骨する。
後年、映画・「青幻記」を福井市順化の「メトロ会館」で観た。僕は涙した。
30数年振りに沖永良部島を訪れた稔(田村高廣)は、島の風景に母(賀来敦子)の幻影を見る。アダンの陰から母が現れる。サンシンの音色が遠くから聞こえてくる。
幼少の頃に母は結核で亡くなった。母の死を理解できない稔は葬儀の日にユタを訪ねる。ユタの夜、稔は母の声を幻のように聞く。
「稔さん、お母さんは、一度でいいから、あなたを力一杯抱きしめてあげたかった・・」結核感染を恐れて母は実の息子を抱きしめることができなかったのだ。
余談だが、沖縄本島を始めとして琉球列島の墓は海を向いている。シアワセを運んでくる神・ニライカナイのいる方向を向くからだと聞いたが、ニライカナイは勿論清国を指すのだろう。和国が鎖国状態であった江戸期、琉球は清国と交易を重ね、異国情緒を形成していった。
当時一緒に住んでいた男たち及び小数の女たちと一緒に夜な夜な焼酎片手に
「永良部百合の花」を歌ったものだ。
彼ら彼女らは今頃どこで何をしているのだろう。