ニュージーランドで多数の若い日本人が巻き込まれたCTBビル崩壊の原因として、エレベーター周りが他の箇所と比較して強固だったことによって捩れ現象をもたらしたこと及び地盤が液状化したことを地震専門家がテレビでしゃべっていた。
捩れ現象については昭和56年の新耐震基準施行のなかで、「偏芯率15%以下」とその許容値を定めている。
液状化については、昭和23年発生の福井大地震でも多く見られた現象である。
ビル崩壊が人災なのか天災なのかは、その国が定める耐震基準にのっとっての調査結果に負うことになるだろうが、結果がどうであれ100人以上の若い命が散ったという現実は変わらない。
大変に悲しいことではあるけれども、僕は、巻き込まれた人たちよりも、そのお父さんお母さん方に思いがすりよってしまう。
世間の騒ぎが収まった頃から、空虚感・寂寥感が増し、悲嘆が続く。半狂乱はずっと続く。
お定まりの慰め言葉はその感情をさかなでするだけだ。
その意味では、江戸初期の禅僧・良寛が友人に送った手紙のなかの「・・災難にあふ時節には災難にあふがよろしかろふ・・」という言葉に僕は深い人間愛を感じる。
良寛は本当に偉い人だ。 |