10月日記


西暦19年10月30日 水曜日

 今年一番びっくりしたことが起こった。それは、妹の電話の、「お兄さん、生きてるの?」という心配そうな言葉に発する。
 妹の金中時代の同窓会が、数日前に開かれたのだが、妹は「語り部」の仕事で参加できなかった。その日に、「牧田さんのお兄さん死んだんだって?」という電話が入ってきたそうだ。
 多分、先週土曜日に倒れて救急車に乗せられて搬送された私の姿が、どこかで目撃されて、ならば死んだかもしれない・・が、死んだと、尾ひれがついたのだろう。


西暦19年10月30日 水曜日

 今年一番びっくりしたことが起こった。それは、妹の電話の、「お兄さん、生きてるの?」という心配そうな言葉に発する。
 妹の金中時代の同窓会が、数日前に開かれたのだが、妹は「語り部」の仕事で参加できなかった。その日に、「牧田さんのお兄さん死んだんだって?」という電話が入ってきたそうだ。
 多分、先週土曜日に倒れて救急車に乗せられて搬送された私の姿が、どこかで目撃されて、ならば死んだかもしれない・・が、死んだと、尾ひれがついたのだろう

西暦19年10月28日 月曜日
一昨日の土曜日は、一日中動き回っていた。
 午前中は佼成会及び高戸先生宅で午後はメロン苑。名社主催の「山田秀樹さん音楽コンサート」紹介の為だった。
 そして、夜は、「コップ酒」にて食事会。

西暦19年10月23日 水曜日 秋深し
  

 昨日の夕刻は創作の森に居たんだけど、其処は秋の風情が満載だった。
 秋深し 隣は何を する人ぞ   芭蕉

 高戸先生の「自分史」のパソコン取り込みが完了したので、このブログに載せる準備をしています。
 

・西暦19年10月22日 火曜日

 今日の午後はメロン園に居た。10月26日に、明社主催で、ボランティアコンサートをするので現場確認のために赴いたわけだが、この建物は高台にあって、幹線道路を眼下に望む風光明媚な場所にあるので、案内してくださった若い女性に、「素晴らしい景色ですね・・でも、一番素晴らしいと思ったのは貴女の美しい横顔です」と言った。
 彼女は頬を紅潮させ俯いていたのだが、真面目な会話のなかで、突如こういうことを言う俺は、ホントに馬鹿なあと思った。
 以後、気を付けよう。



・西暦19年10月17日 木曜日
 
ただいま午前二時半。煙草を口に咥えつつカフェオーレを飲みながらインターネットで松本清張原作のドラマを観ている。
 これが僕にとっての、幸せな時間帯である。このまま意識を失えたら至福と言えよう。
 
 ところで、今日は床屋へ行かなければならない。


・西暦19年10月16日 水曜日 高戸氏「人生史」PC入力終了
 
 大型台風の本土上陸で昨日・今日とテレビをつけっぱなしに。
 なんせ、本土大縦断だから、今までに行ったことのある幾つかの地域周辺の被災映像が、度々アップされるので、テレビを消す事ができなかった。

 さて
 視力が衰え大活字しか読めなくなった僕は、先日、丸岡図書館の大活字本コーナーへ行った。六冊をかりてきたが、なかでも、安部公房著「榎本武揚」、保阪正康著「昭和史七つの謎」が面白い。
 昨晩は、事務所の脇棚に三つのコーナーを新設した。即ち「金津図書館コーナー」「三国図書館コーナー」「丸岡図書館コーナー」だ。
 これで、Σ20数冊の本が脇棚に常備されることとなり、年金生活者としては、心強い。

 私事だが(というか、このブログ、全て私事だが)、初孫が実家に帰ってしまう。そこで祖母さん(つまり僕の妻)に抱かれての記念写真をショット。



・西暦19年10月10日 木曜日
 

 司馬遼太郎著「城をとる話」読了。
 文庫本のオビから。
 「関ヶ原の役前夜、伊達と上杉が鎬を削る東北の国境。
 伊達は、西国牢人・赤座刑部に不落の帝釈城を築かせていた。
 ・・・単身、この城を乗っ取ろうと狙う男がいた。
 上杉方・佐竹家の臣・車藤座である。
 敏捷な身のこなし、行動力にすぐれた男。加勢するは、銭愛好家、堺商人、巫女。
 一匹狼・藤座は敵の核心に迫った・・・・。
 戦国乱世に生きた日本人を描く痛快時代小説。」

 降る雪や 明治は遠くなりにけり 中村草田男 
 
 
明け方から、金子兜太著「金子兜太の俳句入門」開始。
 
生活実感・物・言葉が、俳句の三要素とのこと。   

・西歴年10月09日 水曜日

 昨晩は、事務所において、あわら市九条の会・打ち合わせ。
 四人が集まった。

 皆が帰ったあとは、高戸先生肉筆原稿のパソコン取り込みだ。
 取り込みながら、「これが済むまでは、死なないでおこう」と、思った。

 明け方に夢を見た。鹿児島の海に飛び込み、沖永良部島まで東シナ海を泳いでいく途中におぼれるという変な夢だった。
 フロイトがこの夢を分析したら、「この夢は、貴方を牛耳っている四肢障害からくる絶望感の現れでしょう。」と、言うだろうが、僕は、障害を己の個性として、未来に立ち向かっていきたい。

 阪神vs巨人まであと15分。客観的に見て不利かもしれないが、いのるだけだ。

 

 ・西暦19年10月06日 日曜日
 
 昨日の夕刻、全国の阪神タイガースファンは、あちこちで、狂喜していたことだろう。
 横浜に1対7とひき離された時点で、ふてくされた僕は、パソコンの音を小さくし、布団に潜り込んでしまったのだが、うとうとしているうち、スポーツアナウンサーが絶叫しはじめた。
 
布団から這い出し、マナコをこすって、再びパソコンの前に座った。
 奇跡の逆転劇を充分楽しんだ。
 


・西暦19年10月05日 土曜日 クリーンアップ大作戦

 
 明社(明るい社会をつくる協議会)会員十数名が、今朝の六時半から高速道路・金津インター界隈のゴミ拾いを敢行。
 疲れた。
 
 悪男悪女が道路脇に投げ捨てる空缶の量は膨大なもので、たちまちのうちに、軽トラ二台が満杯となってしまった。これは敵(悪男悪女)による巨悪な行為の産物である。
 「きょうは一定の戦利品を得たが、近いうちに敵を殲滅しなければならない。それまで頑張ろう」の挨拶で作業を閉めた。

西暦19年10月04日 金曜日 忠臣蔵
 

 
「上野介の忠臣蔵」を読むのも、今回が三度目だが、読み返すほどに、いろんなものがみえてくる。
 いずれにしろ、この本の主人公は、清水一学だ。一学とお咲きの悲恋物語なのだ。
 ・・ということを、三国のミスドで某女性に向かって、滔々と語り続けるにつれ、女性(といっても既に68歳で敢えていうなら元女性)の顔に紅がさす。うっとりとしているのが、よくわかる。

 「だから牧田さんてもてるのね」と、恥ずかしそうに言う。
 僕は、どう答えていいかわからなかった。


・西暦19年10月03日 木曜日
 

 今週前半は、仕事スケジュールに追われたが、今日から落ち着いたので、図書館に行って開架本の背表紙眺めを楽しんだ。
 目に付いたのが、清水義範著「上野介の忠臣蔵」。前にも読んだけど、又、読むことにした。

・西暦19年10月02日 水曜日
 
 「きのね」(全四巻)を読み終えて二日経った。不幸にして貧乏家庭に育った私は、歌舞伎を見たこともなく役者に関する知識も全然ない。ただただ著者・宮尾登美子の文体に引きずられて、一気呵成に読破。固有名詞の流れがわからなかったので、遊郭街育ちのお袋に読んでもらって、いろいろ薫陶を得た。
 雪雄は、現在の市川団十郎の祖父にあたる人(勿論故人)。そして、お抱え女中として雪雄に献身的に尽くし子を身ごもっていく女中・光乃が主人公と言っていいだろう。
 雪雄(団十郎)の全盛期のもてもてぶりはすごかったそうだ。舞台で見えを切る団十郎の所作の見事さ・薄化粧から覗かれる顔の彫の深さ、肉声の音色はほとんど神の音色であったという。客席から舞台を見詰める多くの女性たちが陶然とし、発狂寸前となったそうだ。団十郎の顔を思い浮かべるだけで、狂死した女性もいたそうな。
 ・・・と、ここまで読んできて、「なんや、若いころの俺と変わらんやんか。さすがに狂死した女性はいなかったが」 と、わが身を振り返った。
 
「役者という者は、群がって寄ってくる女たちを次から次へとなぎたおして、そのうち追い出していく。決して愛してはならない。それが役者としての度量を深く大きくしていくのだ」
・・・なんと素晴らしい言葉ではないか。