「半死半生」を辞書で引くと「半ば死に、半ば生きている状態。死にかかっていること。生死の境にいること。」と書いてあるが、僕の場合はちょっと違って、そういう体の問題ではなくて、なんというか、人生観を表す言葉だと理解している。
体が健康であろうが衰弱していようが、ある瞬間に死の影をみることがあるのが普通の人間だ。勿論これは数年前に幽体離脱を経験したからより強く思うのだろうが、その経験の有無は相対的な差にすぎず、だって、例えば一神教の宗教の場合、現世を神との契約の下に生きている。そして神との契約が生きる規範・つまりは道徳となっている。
10数年前、我が家にホームステイした女性は、「ソ連が共産主義国家であった時代にも、宗教は(この場合はロシア正教か)半ば隠れる形で続いていた」と、言っていた。
僕は何かの宗教を強く信じているわけではない(というよりも信じるということがどういう心的状態を指すのかよくわからない)が、霊魂の不滅を経験的に信じているので、一応、宗教的人間の範疇に入ると思う。
形見とて何か残さん 春は花
山ほととぎす 秋はもみじ葉 良寛
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